映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

『コーダ あいのうた』星5点★★★★★

2021年のアメリカ合衆国・フランス・カナダのドラマ・ロマンス映画。

家族4人のうち、両親兄が耳が聞こえず、妹が手話で通訳をしている。

この映画は感動すると聞いていて、観てみたらジーンと胸にきた。

アカデミー賞でも賞を取っている映画だが観るまでうわさに聞いた程度。

突然、娘が歌っているところで音が一切聞こえない演出があったが、これが耳が聞こえない人の日常なのかと悲しみと目で見る情報でいろいろなことを理解するということが分かった。

娘が通訳ばかりしていて私のせいにしないで、と感情をぶつけてくるところが耳の聞こえない家族を持つ娘の感情の一つで切なくなった。

兄がこのままここにいたら自分の夢も追えず、ただ頼られた生活になるぞと自分のことをそっちのけで応援してくれるところにジーンとなった。

この家族は耳が聞こえないというハンデキャップを持ちながらそれを感じさせない強気なところだったりエロティックなところだったりがユーモアを交えて面白い。

耳が聞こえないのに娘が歌を志すというのはどんな気持ちなんだろう。最後のほうの歌を歌いながら手話でも歌っているようなシーンが歌だけじゃない感情の現れがあってよかった。歌いながら手話でも歌っているところで思わず心揺さぶられた。

音楽の先生が主人公を見出すところも素敵だった。

家族の中で一人耳が聞こえる人の悲しみや喜び健気なところがやはり心を揺さぶるんだろうなと思った。

お兄さん役やお父さん役も味が出ていてよかった。

アカデミー賞はやはりいい映画を発掘するんだなと思う。かなりいい映画だったと思う。歌声に心あらわれる。