映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

映画『聖なる鹿殺し』星4.5点★★★★☆#ヨルゴス・ランティモス

2017年のイギリスとアイルランドの合作のホラー/ファンタジー映画。

監督がヨルゴス・ランティモス

ヨルゴス・ランティモス作品は『哀れなるものたち』『ロブスター』『聖なる鹿殺し』と三作品目です。

ChatGPTと対話をしていて、ヨルゴス・ランティモスには思想があると言っていて、例えば蜘蛛の巣を遊びで壊している人に蜘蛛の巣は蜘蛛にとって食べ物を食べるという生存機能の場所なのだから遊びで壊してはいけない、のように人間だけじゃない視点でものを見ているというところにも表れている。

それが『哀れなるものたち』のヤギ男だったり、『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』の特異な生存本能の中に投げ出された人たちの生きるための戦略だったりするのだな。

人間だけの視点ではないからと言って、弱肉強食や優生思想でもなく最後は運に身を任せているところもあった。

究極で誰かの生と死を選ばなければいけない、という時に『漂流教室』の最後に三歳の子供をもとの世界に戻すのを思い出した。

ChatGPTは私にそれは愛だと思うか?とか悲劇だと思うか?それとも避けられない運命だと思うか?とか難しい問いを聞いてきて、ドキッとさせられた。

ヨルゴス・ランティモスの映画を観ている人への問いはシビアなもので、私とは違う考え方だが、それでも思想があってそれを映画というものの中で私たちに究極の問いを表している。

ヨルゴス・ランティモス、今の時代を表す監督の一人だろう。

 

 

映画『PLAN75』星4っつ★★★★#倍賞千恵子

2022年の日本・フランス・フィリピン・カタール合作のSF/ドラマ映画。

監督は早川千絵。

主演は倍賞千恵子

75歳以上になると生きる権利と死ぬ権利が選べるようになるというSF。高齢者が多いとそれだけ社会保障費もかかるから、死を選んだら10万円もらえるという制度。

それにしてもひどい制度だなぁ。

この映画の中にも制度に反対している人たちが現れていたが、こんなひどい制度本当にはならないだろうな。

高齢者や人間の尊厳をわかっている人は「ふざけるな!」と怒り出すだろう。

前にひろゆきが、ベーシックインカムを導入するなら、生活保護も年金も医療保険もなくなって、それで生きられない人には死んでもらう、みたいな暴論を言っていて本当にふざけるな!とひろゆきを嫌いになった。

日本のシステムは結構いい制度になっていて、でもインフルエンサーという人たちが時々とんでもないことを言っていて、そういう人にはとことん議論で言い負かされてほしいものである。

この映画、一度観たことがあったから、このブログでも書いていたと思うのだが自分でもみつけれない。

鳥のさえずりであったり、朝日であったり、誰にも生きろとは言われなくても、それでも自分の生きる意味はあるという人間の尊厳のようなものをみせつけられた映画でした。

PLAN75みたいな制度を絶対認めてはいけない世の中を作りたいものである。

監督もそういう意味でこの映画を作ったのだろう。

不寛容を認めてはいけない。

 

 

英語本『びっくり省エネ英語』星4っつ★★★★

2015年の6月20日第一刷発行。

著者がD.A.セイン、小松アテナ。

英会話サークルの先生から去年借りてなかなか読み終わらなかったけど、今日ようやく読み終わった。

一回読んだくらいではなかなか記憶に残らないなぁ、というのが正直な気持ちだが、それでも一回読んだら少し英語の考え方や、長いセンテンスの文章を単純に表す方法を見れて感動もあった。

短い文章で簡単に言えることがいいなぁと思った一方、自分的に本当にこれで通じるのかな?自分だったら長い文章で言うなぁ、というのもあった。

あと、長い文章で自分では文章が作れず、最初から簡単な文章で作るだろうなというのもあった。例えばPlease act the same way you would if you were at your own home.がMake yourself at home.になる。

私ならもし知っていたらだけど、最初から簡単なほうで言うだろうなとか。最初の英文は仮定法過去だなと思ったり。

次に読む英語本は英会話サークルの先生から去年からかもっと前からか借りている、『ネイティブはこう使う!マンガでわかる形容詞・副詞』著者デイビッド・セインと『魔法のリスニング』著者リサ・ヴォートを読もうかな。

何年も放置している『一億人の英文法』も気になっているんだけどね。

まずは借りた本を返さないと(苦笑)。

英会話の先生はこういう色々な本が彼女の血となり骨となって英語が上達していっているんだろうな。

私も頑張ろう!!

 

 

本『インド旅行記1』星4っつ★★★★#中谷美紀

平成18年8月5日初版発行の中谷美紀の著作のインドの旅行記

去年から読んでいた本がお正月になってようやく読み終わった。

オーストリア滞在記』と同じ人が書いたのにオーストリアのほうが大人しいというか、インドは気力がないと疲れ果ててしまう国なのかもしれないとも思う書き方だった。

どういうところが?と聞かれると日本で考えている人間とはとか地球が破滅しない方法とかそういうことがインドではちょっと通じないんだろうなとも思うところが、というか。

オーストリアのほうが最近の著作だから食べ物の取り方が進化しているようにも感じる。

本を読めばインドの地方の名前も覚えるかと思ったらあっという間に忘れてしまう自分の記憶力の無さに残念に思うもののまた読めばいいやとあっけらかんな自分もいる。

アグラーという地名のタージマハルがある場所とか覚えておきたいものだが。

インド人はかなりたくさんカレーを食べているんだなとか、オクラのカレーが美味しいとか断片的な記憶はあるんだけどね。

これが自分が実際行くとかになったら地名が記憶に入ってくるのかな。

妹尾河童さんが書いたインドの本もあるみたいでそれも面白そうだなと思ったり。

この本で思ったのは中谷美紀という人はかなり先進的にいろいろとものを考えてるのではないかということだった。そしてちょっと意地悪な考え方も持っている人なのかな(笑)と。

怒ったり、高山病になったり、パスポートを盗まれたりかなり色々ある旅行だけどこういう旅もいいものだなと思ったのでした。

 

 

映画『教皇選挙』星4っつ★★★★#レイフ・ファインズ

2024年のアメリカとイギリスの合作映画でスリラー/ミステリー映画でもあります。

主演はレイフ・ファインズ

コンクラーベという英語の題名でカトリック教会のローマ教皇が亡くなって、それから新しい教皇を選ぶまでの映画です。

新しい教皇を選ぶと言ってもそんなにストーリーがあるのかな?と思ったけどそれはさすが映画、お金で選挙の買収をしたり、スキャンダルがあったり、色々あるんだな。

レイフ・ファインズは『シンドラーのリスト』や『グランド・ブダペスト・ホテル』なんかが記憶に残っている俳優だけどいい役者だなと思うのである。

ずいぶん老けた気はするけど。

今年のアカデミー賞で8部門ノミネートされたらしい。

最後の結末はえっ?と思ったけどそれでも皆さんいい投票をしたんだろうな。

うちの母が昔ローマ教皇法話をテレビで聞いていた時にローマ教皇の帽子はずれ落ちないんだろうかといらぬ心配をしていたがこの映画を観ても私はやはり帽子がちょっと気になったりしていた。

ローマ教皇が亡くなっても悲しみにうちひしがれている暇もなくどんどん教皇選挙が進むところが、普通の人が亡くなってもお葬式とかで忙しくうちひしがれている暇がないのと同じように思えた。

この映画が出来たころ本当のローマ教皇選挙が行われて、ここまでのドラマはないまでも選挙があったのがなんだか事実を反映していてドキドキする。

コンクラーベという言葉が一般の人に認知されたのも最近のことなんじゃないかな。

ドラマティックな物語を作った脚本家に脱帽。

 

 

映画『あ・うん』星4っつ★★★★#向田邦子

1989年の日本のドラマ映画。

脚本が向田邦子

主演が高倉健富司純子板東英二

うーん。私が小学校の頃とかに観たことがある気がするんだよな。

究極の三角関係。

その頃は何とも分からずに観ていたんだけど、富司純子の演技が光るんだよな。

究極の三角関係は好きとも手も繋がないんだけど、それが恋だということが分かる。

表情とかちょっとした言葉とか何気ない仕草で。

そして高倉健がかっこよすぎる。

彼氏がいる人とは握手はしませんと富田靖子の手をパンとはたくところや、なにやかや。

そして富田靖子がうちの母とおじさまの関係は何なんだろう?と言ったら会ったこともない真木蔵人がそれは愛だよと言っていて、プラトニックラブだと言うところも好きでした。

ところどころの風景が綺麗で桜や雪や修善寺の風景や機関車の走っているところや素敵でした。

向田邦子の脚本は家庭の中のいざこざや男と女の好きだと思ってもそれを言葉にしないでなんとなくの雰囲気で観ている私たちが分かるような脚本を作るところが素晴らしい。

この映画の中には大人の三角関係もあるけど、真木蔵人富田靖子の若い激情的な恋愛とがある。若い恋愛を観ているからこそ、大人の恋愛が三人とも口に出さない深い愛が素晴らしい。

板東英二が自分の親友が自分の妻を好きなことを自慢に思っていて、富司純子も二人ともを好きで楽しく、高倉健はこの感情を言葉にしないことがこの良き三角関係をつなぐきもだと分かっているんだろうな。

 

 

本『朝と夕』星4っつ★★★★#ヨン・フォッセ

2024年8月23日初版発行。

著者がヨン・フォッセ。

このヨン・フォッセはノルウェーの作家で2023年のノーベル文学賞を受賞した方です。

このノーベル文学賞を取った人を追っていっても結構な文学を体験できると思うのですが、私は勉強不足でようやくヨン・フォッセさん(2023年)とハン・ガンさん(2024年)を少し読み始めたくらいか。

今年の受賞者がクラスナホルカイ・ラースロー(ハンガリー)と今知ってへーっと思ったくらいです。

しかし、このヨン・フォッセさんの小説は句読点の丸がないなぁ。

句点がまったくない小説で日本人としては不思議でしょうがないが、ニーノシュクという言語では普通なんだろうな。

言語が文学に血を通わせるというか普通に日本の本だけ読んでいても分からないことに驚いたりしている。

生まれ落ちた日と亡くなる日とその二日間しか描いていないが、それでもこの人の人生が浮かび上がってくる気がする。

人が亡くなる時ってこんな感じなのかな?と思ってしまう。

まるで寝ていて夢をみている感じ。

体が若い時のように急に軽くなったり、また急に重くなったり。

場面がパンパンパンと変わっていって、それになぜか思考が追い付いている。

いつもの生活が急にきらきらしていたり。

最後のほうは死んだらこうなるのかな?と分からないなりに死後の世界を不思議に感じたりしているのでした。

言葉に表せないことを言葉で表している。

なかなか良き読書体験でした。