2015年の河瀨直美監督の日本映画。
うちの母と一緒に観たのですが、母が変わった映画だ変わった映画だと言っていたのですが、それは映像の綺麗さだったり、役者の演技が演技演技してなく朴訥な演技だったり、その演技を待ってのカット割りだろうとしているところがだと思います。
この映画を撮るため河瀨直美監督は樹木希林にカナリアとアパートで住んでもらうとかしてもらったそうです。樹木希林さんはこの年になってそんな演技プランをしてもらうことがない、と言って新鮮だったみたいですが、そういうところがこの映画に表れているんでしょうね。
昔、河瀨直美監督がドキュメンタリー論について私は見たいものを見たいように映すと言っていてそれはドキュメンタリーじゃなくてフィクションだろうと思っていたのですが、それから随分進化していてこんな素晴らしい映画が表現できるようになったんだな、と感無量です。その強い精神力が河瀨直美監督をこう成長させたんだな。
樹木希林さんのでる映画はとにかく面白いのが多い。
入れ歯を取るだけでおばあさんに変身したり、きゃっきゃっと演技しているところが女の子の様だったり。
どら焼き屋のあんを徳江さんが変えることで、どら焼きが爆発的に売れる、だけじゃなく、店長さんの心の底に人は何者にならなくても生きている意味があるんだと力強い生き方を教えた物語でもありました。
樹木希林さんの孫の内田伽羅さんの美しい姿も見れることができました。今どきの眉とかではないですが、それでも美しいひとだなと思いました。