2020年のスペインのドキュメンタリー映画。
映画の内容は農業について。
この映画は山形国際ドキュメンタリー映画祭山形市長賞、つまり準グランプリを取った映画です。
何が良かったかって、出てくる人々のキャラクターが良かった。この映画の主人公のアントニオのしわが深く刻み込まれた顔やぼくとつとした性格、生まれながらの農家の喜び、悲しみ。また、もう一人の主人公のインマの普段は寡黙で黙々と農業の作業をする姿。また、息子の学校で生き生きと農業について話す誇らしげな顔。
少しだけ音楽をいれているけど、ほとんど農家の作業の音だけ入って黙々と仕事をしている姿。
農業は昔は市場で直接野菜を売っていたけど、今は人々は大型スーパーに行くので、大型スーパーに買いたたかれて利益がほとんどないとのこと。
また、再開発のためモールを作りたい行政に今畑になっている場所に道路を作りたいと言われているがそれを必死に拒否するインマ。生まれてからずっとある祖先の畑をこの先も耕し続けたいとのこと。
最後のほうにアントニオが農業に疲れた、もう辞めたいと言ったのに対し監督がお前の娘に任せろ、お前は休めと言ったのが印象深い。世代交代の時期がきたのであろうか?
農家の風景というのがとても綺麗で最初と最後に畑を焼く風景を撮っているのだが印象深い。
農家の一年の姿を撮っているとともに、その毎年毎年の風景を連想させさらに時代の波を撮っているところが素晴らしかった。