是枝監督作品は色々観ていたつもりでしたがこれはまた異色。
自分が死んでから一週間以内に自分の人生で一番の思い出を選んでもらって再現をしそれを観て死の国へ旅立っていくというもの。
この作品の前に『幻の光』や『しかし…ある福祉高級官僚死への基軸』や他にもドキュメンタリー番組をいっぱい撮っている監督なので死というものを深く考えていてのことだろうと思ったのですがふんわりした感じの映画でした。
ちなみに『幻の光』は小説版だと、人間の恥ずかしい部分を含めて死を受け入れようという小説でしたが、是枝監督の映画版はただただ悲しく辛かった。
『しかし…』もまたただただ悲しかったですが、それでも主人公のしかしという言葉に私たちも何かできるんではないかと思ったものです。そしてその当時官僚とは嫌なイメージが付いていましたが、それを払拭する世の中に違う視点で物を見るということのできる分岐点にある作品。
ワンダフルライフ以降の是枝監督作品は家族というものにフォーカスした映画が多い気もします。
ワンダフルライフは不思議な映画でほんとファンタジーだなぁと。
死の悲しみよりも自分の人生の一番の思い出を選ぶことで自分の生きていたころをを肯定していく物語。
私だったら何を選ぶかな、というところで自分の人生がどういうものだったか考えさせる。
よかったのは出演者のドキュメンタリータッチの演出でしょう。本当の話を少し出しているのかな?というところが良かった。