2019年のフランス・ベルギーのスリラー映画。
前に『鑑定士と顔のない依頼人』を私が紹介した英語の先生に、『9人の翻訳家囚われたベストセラー』を紹介されました。
なんでこの映画を紹介したのか分かるような気がします。多分ミステリー部分を楽しんでのことだと思います。
鑑定士と顔のない依頼人は突然人生を放り投げられるけど9人の翻訳家は徐々にミステリーがじわじわきます。だます側はいつでも用意周到なんですがね。
さて、もちろん面白くはありだまされた感はあるのですが、それでも観終わった後考えてみれば十分あり得る話なんだよななどと思ってしまいます。
そして多分この映画の主人公、文学の先生に会って、意気揚々としていたのが最後ああいう結末になって悲しくそれでこのトリックを考えたのだと思います。
私も大学時代大学の先生たちがキラキラしていましたが、もっと少年時代に教授にあって、文学の勉強をさせてもらえるなんていい恩師を見つけたのだと思います。自分の作品を読んでもらえる時の高揚感、それを認めてもらった嬉しさ、そんなものを知っていったのでしょう。
自分の作品をこの先生がいいと言ってくれたらかなり嬉しいそんな先生がいますね。
私が大学時代に会ったすごい先生は前列にどう考えても社会人だろっていう人たちがいっぱいつめかけていて教授がこれはどこのページについていたかな?と一言いうものならその前列の人たちがバラバラバラとテキストを開いて先生何ページに載っています、と熱意の伝わる授業でした。
この9人の翻訳家の主人公はそういう先生を見つけた幸運の持ち主です。だからこそ最後のああいう結果になったのだと思います。