映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

『エセルとアーネストふたりの物語』星4.5点★★★★☆

2016年のイギリスのアニメ映画。

『スノーマン』などで知られる英国の絵本作家レイモンド・ブリッグスが自身の両親を絵本にしたものをアニメ化した映画。

絵は温かな感じですが話の内容がどこにでもいるような家族の愛の話でその背景に戦争あり技術の進化あり。

この頃はアニメづいています。

日本のアニメもいいものが多いけど海外のもいいのが多い。いつかアレクサンドル・ペトロフ監督の『春のめざめ』が観たいなぁ。

話を戻して、エセルとアーネスト決して完璧な人間像ではないけれど、それでも好感が持てるのは政治に対し真剣に考えている一市民の考えを持っているお父さんやどこまでも息子を無償の愛で時に頑固に育てているお母さんがいるからです。

スノーマンも絵柄を知っているだけですが好きなタッチだけど、困った顔をしているようなお母さんの顔、年とともに薄くなっていくお父さんの髪が素敵です。

近所の隣の家の奥さんに息子の自慢をするところが、ああお母さんダメダメと思うのですが、そのあと息子が警察の御厄介になった時、隣の奥さんに聞かれたとき強がりを見せるお母さんに分からないでもないなぁとも思ったり。

背景にヒットラーのこととかが描かれていましたが、自分はイギリス人だけどもし自分がユダヤ人だったらと思いをはせるお父さんの政治に関する考え方が好きです。

息子は母に反抗期になったりしていますが、それでも年取ったお母さんに愛の言葉をかけるところが好きでした。

自分の旦那のことを忘れ、あの人は誰ですか?と息子に聞いているところが悲しくてでも人生の終焉を感じます。

温かな家族愛を表していますし、この絵本が大流行するのもうなずけます。