映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

『はなれ瞽女おりん』星四つ★★★★

1977年の篠田正浩監督、岩下志麻主演の日本映画。

音楽が武満徹、撮影が宮川一夫

私がこの映画を知ったきっかけは武満徹の映画音楽集のCDの中にはなれ瞽女おりんの音楽が入っていたからです。

武満徹いわく、いい映画は映像が詰まった感じがありその映像に音を入れないほうがはっきり響く場合と、さらに音をぶつけることによってそれがはっきりする場合とがあるそうです。これはさらに音をぶつけた場合なのでしょう。

宮川一夫の撮影はこじゃれた感じではなく、対象をどすんと映し出す感じがしました。絵画的な映像の中で人が動いていたり、いい映画は音楽撮影にもかなり気を使っているんだな。

それにしても岩下志麻役者だな。三味線に唄に地方なまりに。裸足で雪の中を歩くシーンだけでも大変だと思います。

うちの母いわく、ここ最近の新聞で岩下志麻の代表作がはなれ瞽女おりんだと言ってたらしいです。

ちなみに瞽女(ごぜ)というのは目の見えない人の職業の一種で家の前で歌ったり三味線を奏でたりして生計を立てている人のことみたいです。

この篠田正浩監督は反戦思想があるんだと思います。『瀬戸内少年野球団』も確か反戦思想だったと思います。このはなれ瞽女おりんの原田芳雄の役も脱走兵の役で、最初に別の脱走兵が逃げたら銃殺されるというところらへんから話が始まるからです。

岩下志麻さんの旦那さん篠田正浩監督が、家庭のことをしなくていいから女優として結婚してくださいといって女優業を専念させるだけある、映画だったなと思います。