映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣』星四つ★★★★

2016年のドキュメンタリー映画です。

一人のバレエダンサーの話です。

なんの前知識もなく観ましたが、これだけバレエにのめりこんでいる人はバレエを捨てようとしてもやはり捨てきれないものなんだなと思いました。

家族の出稼ぎでバレエを習い続けた一人の優秀なバレエダンサー。子供のころも怪我をしてはいけないとバレエ以外をしてこなかった、つまり自分の子供時代はなかったというバレエダンサー。体中に入れ墨をしていて、薬を服薬していた時もあるという問題児のバレエダンサー。

まだ若いけど充分活躍していてバレエを捨てることをいとわなかったけど、結局捨てきれなかったんだな。

この人のジャンプはすごく高く人を魅せる踊りを踊ります。

イギリスでバレエ団に入っていてプリンシパル、つまり主役だったんだけど、その単調な生活に嫌気がさしてバレエ団を辞めてしまいます。その後、ロシアに渡り自分の父のようなバレエ指導者と出会いまた踊ることの楽しさに目覚めていく。

私なんかが思うのは、バレエ以外してこなかったといって普通の生活がしたいというけれど、一つのことをしてきたというのはそれだけで人にはない孤高かもしれないけど得られないものを持っているからうらやましいと思う。

それがマラソンであれ、音楽であれなんであれその頂点で見つめるものは苦しいかもしれないけど見たこともない景色なんではないかな。また、別の道でも頂点というところで戦っている人は同じような景色を見ていてそこが一つの物事をやり通した人同士共通の点なんじゃないかと思います。

この映画の最後に家族をバレエの公演に呼んだところで彼の家族とのバレエの旅が一段落したことが分かります。

映画音楽も彼に合っていて良かったです。