2019年のフランス・日本のドラマ映画。監督は是枝裕和。
是枝監督の映画、という感じがしました。
是枝監督はいつのころからか家族を題材にした映画をいっぱい撮っていますが、これはその家族の在り方がヨーロッパだったら?というのと家族の在り方が今まで観た海外の映画で出てくる家族の在り方とはまた違った是枝監督らしい是枝監督の映画でした。
今まで観たことのない是枝映画でしたが、何が違うかというと皆で踊っているところや最後の庭から出ていくシーンなんかで、音楽に重きを置いた演出をしているところなんかは今まで観たことあったかな?と思う是枝監督の新しい一面でした。
子供が自然に出てくるところなんかは今までで観たことのあるようなさすがという一面。
でもジュリエット・ビノシュが脚本家だというのがみそで子供を使って演技をさせてもいやらしさがない。そのうえこれは真実なの?と聞かせているところがなるほど、手の込んだ真実だな、と思わせました。
カトリーヌ・ドヌーブの役がジャンヌ・モローの『クロワッサンで朝食を』に似ていましたが、最終的にはそれよりもさらに幸せな老女優の役でした。
イーサン・ホークが少し腹が出ていたりしていい感じに本物っぽい。
新人女優に大切な遺品の洋服を着せているところのジュリエット・ビノシュの演技がいい。いかにも似合っていて、息をのんでるところがよく伝わってきます。
あと、カトリーヌ・ドヌーブが老女優でどうしたらもっといい役にならないかと考えているところでどんな演技をするのかと思ったら、そこまで演技を変えることによってかなり作品に深みが出てきて良かったです。
ジュリエット・ビノシュが是枝監督を呼んで映画を撮りたい気持ちがよく分かりました。