2023年の日本とドイツの合作で制作されたドラマ映画。
監督がヴィム・ヴェンダース。
主演が役所広司。
日本のトイレは世界一美しい、というのを知らしめた映画だと思います。
ヴィム・ヴェンダース監督は『パリ、テキサス』と『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』が好きな映画なのですが、その次くらいにパーフェクトデイズが入るくらい良かった。
役所広司演じる平山が寝てから起きるまでの間見る夢のような映像がヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』を思い起こさせるような映像に似ていたような気がする。
この映画何が良いかって、平山が自分の好きな音楽(それもカセットテープで)を聴き、自分の好きな本を読み、少しの酒を飲み、そして自分の誇りをもってトイレ清掃員の仕事をしている、ところがいい。
多分、この平山は昔お金持ちの家に住んでいたのだと思う。そうでなかったら、音楽の趣味(私は音楽、詳しくはないのでよくは分からなかったが渋谷で1万円以上のカセットテープというのは音楽好き界隈では有名な音楽なのでしょう)やパトリシア・ハイスミス(『太陽がいっぱい』や『キャロル』の小説を書いた女性小説家なのだと今日認識しました)や幸田文のような小説を読んでいるようなインテリっぽい趣味になるかなあ?と思った。
音楽がやけにかっこいい映画だなと思った。
こんなに少しのもので満足し、足ることを知る映画は素敵だと思った。
最後に監督が木漏れ日という日本語を紹介していて、木漏れ日の光の移り変わりやそれをいいなあと思う平山の人生を肯定している素敵な映画でした。