1994年のチェコ・フランス・イギリス合作のファンタジー/ドラマ映画。
監督はヤン・シュヴァンクマイエル。
ヤン・シュヴァンクマイエルの長編2作目。
長編1作目の『アリス』やそのあとに作った『オテサーネク』よりもちょっと分かりづらかった。
ゲーテのファウストは今年の夏に1巻を読んで、2巻目をまだ読んでいないのだが、ゲーテのファウストというよりはファウスト伝説のファウストに近いのではないかと思う。
悪魔に魂を売り渡して、知識と快楽を手に入れるという話だが、この映画では知識も快楽も得られず、最終的には死をもってそれを交換するという話。
ヤン・シュヴァンクマイエルのクレイアニメが存分に表されていた。精密な造詣の粘土アニメが良かった。
ヤン・シュヴァンクマイエルの製作した映画はどれも台詞で内容を表すことはなく、そこがアリスもオテサーネクも良かったのだが、今回はその台詞で言わないところが舞台劇と映画の中での現実が入り混じって分かりづらかった。
ヤン・シュヴァンクマイエル映画でよくある、食べ物が気持ち悪いのはやはりこの映画でも出ていたし、音の気持ち悪さも出ていた。
レストランの主人役が見たことあるなと思ったら、短編『フード』の中で出演していた役者さんだった。
今まで観たヤン・シュヴァンクマイエル作品では短編集が一番好きでその次にオテサーネク、三番目にアリス、四番目にファウストというところか。
ヤン・シュヴァンクマイエル作品はそのうち全部観たいところです。
才能あるクレイアニメ作家です。