映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

『天井桟敷の人々』星4.5点★★★★☆#ジャン=ルイ・バロー#マルセル・カルネ

1945年のフランスのロマンス/ドラマ映画。

3時間10分の超大作。

監督はマルセル・カルネマルセル・カルネ監督は『嘆きのテレーズ』の監督でもあります。

この映画の何がいいってジャン=ルイ・バローのパントマイムが彼の気持ちを物語っていていい。

舞台の中で背景だけ変えてジャン=ルイ・バローが歩いているふりをしているところなんて本当に歩いているようでさすがっと思います。

喜びも悲しみも天才的なパントマイムで何もかも表されていて美しい。

この映画には男の純情が表されていますね。

最初に一目惚れで好きになって、恋なんて簡単よというヒロインに僕と同じだけ愛してくれないと嫌だというところよく分かります。

恋愛では自分が愛しているのと同じくらい愛してくれないと何もかも無駄なような気がします。キスしても自分が感じているキスの喜びと同じだけ愛してくれないと愛がいつか終わってしまうような気がします。

簡単に始まった恋愛の別の男優とはやはりすぐに恋愛が終わってしまったのが、ジャン=ルイ・バロー演ずるバチストとは一生の恋愛になっているところが恋愛の難しくも美しいところ。

バチストはガランスを愛して気が触れるだけ愛してしまって明るい性格が情緒不安定になったり、狂気の目が演じられるようになったりしています。そういう男の純情にガランスもバチストを好きになっていったんだろうな。

この映画は街を表現するのにどれだけのエキストラを使ったんだろうというくらいお金のかかった映画でもあります。戦時中の映画でこれだけお金をかけれるフランスという国もなかなか侮れない国だなあ。