映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

『あちらにいる鬼』星4っつ★★★★#寺島しのぶ

2022年の日本のロマンス/ドラマ映画。

監督が廣木隆一

原作が井上荒野

井上荒野が自身の両親である作家井上光晴と妻、そして瀬戸内寂聴の三角関係をモデルに描いている。

最初にこの小説の題名をきいたとき、あちらにいる鬼って瀬戸内寂聴のことかな?と思っていたら、調べたら死ぬと魂は天に召されて残りが地上で鬼となるという父井上光晴のことをそう言っていたみたい。

で、どういう映画かと言うと、三角関係は三角関係なんだけど、争うことをせず、寺島しのぶ豊川悦司は男女の恋愛とあと小説を書くというところで結ばれていて、また広末涼子豊川悦司も夫婦という絆とやはり小説を書くということで結ばれている関係でした。その寺島しのぶ広末涼子たちの家族のもとに出家した後遊びに行って手料理を食べてくるという関係。そして、最後には同じ男を愛した同士のように一緒に死に行く豊川悦司の看病をしたり。

寺島しのぶが髪を剃るところが、さすが女優!!だと思いました。

寺島しのぶと、廣木隆一荒井晴彦って『ヴァイブレータ』だったり『やわらかい生活』だったり常連の映画製作者たちの仲間で作っているんだなぁって。

広末涼子演じる役が旦那の浮気相手に寛容というか、人間できているというか。

うちの母が、瀬戸内寂聴は素晴らしい着物ばかり着ていて、着物の好きな人だったよと言っていました。

恋愛だけではない人間として人を好きになるということが表された映画でした。