1975年のフランスのドキュメンタリー映画。
監督はアニエス・ヴァルダ。
カイエ・デュ・シネマ誌の事務所がセーヌ川の右岸にあったのに対し、セーヌ左岸のモンパルナス界隈に集まっていたので「左岸派」と呼ばれていたらしい。
香水屋のおばあさんの顔がどこかの女優さんのような顔でなんともこの映画を観たいと思わせる顔で映画を観てしまった。
このおばあさんの笑顔で普通の一般市民なのに素敵だなと思わせる人で、普段は愛想も良くないしお客さんが来てもむすっとしているんだが、それでもこのおばあさんから目が離せない。
ダゲール街の人々は普段の生活をしていて、食料を買ったり美容院に行ったり、アコーディオンを習ったり、車の教習所に行ったり、香水や化粧品を買ったり時計を直してもらったりごくごく普通の生活をしている。
フランスのダゲール街の人々は田舎の村からの出身者が多く、様々な恋愛をして夫婦になり仕事を切り盛りしている。
そんなダゲール街にも時に魔術師が現れ、街の人たちを巻き込んでショーを開催する。
普段普通の仕事をしている人たちが魔術師の魔術にドキドキしたり、息をのんだりしてお祭りのようなてんやわんやさである。
魔術師が腕にナイフを刺しているところに、肉屋のおやじが肉を切っている場面を映し出したり、ドキュメンタリー作家の仕事が冴える。
それでもこの映画の主役は香水屋の奥さんなんだろうな。
アニエス・ヴァルダも彼女を映したくてこの映画を撮ったんじゃないかな。