2023年のアメリカの歴史映画。
監督がクリストファー・ノーラン。
主演がキリアン・マーフィー。
今までクリストファー・ノーランはただただ面白い映画を作る監督として私には一押しの映画監督と思っていたが、この映画を観てオッペンハイマーと共にアメリカの原爆開発の罪をアメリカ人として取ろうというそういう罪の意識をクリストファー・ノーランに植え付けた映画になったと思う。
今年、日本被団協がノーベル平和賞を取ったのを考えるとこの映画を星一つにするか星五つにするか悩みどころだったがスタンリー・キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』と同じように天才監督は駄作とかではなく、星一つか五つか悩むような問題作を作るものなのだなと思った次第です。
今回星五つにしたのはこの映画を観てもう一度原爆のことを考えてほしいとアメリカ人という自分の罪のようなものを取ろうという意思を感じたからです。
この映画最初のほうでも、原爆を作るまで音楽というかそういうのがなんだか不安なようなものが出来てしまうのではという緊張感と不安が入り混じったような感じがしました。
そして、白黒とカラーの色の違いは最初はなんだか分からなかったけど、白黒はストロースのオッペンハイマーにかけた罪のところで白黒になるんだなと思った。
映画自体は深く感じ入るが日本の原爆の悲惨さを描いていないと言われれば、その通りだなとも思うのでした。