2022年の日本の映画。
私は知らなかったけど、日本アカデミー賞で岸井ゆきのが主演女優賞を取った映画だったみたいです。
映像が綺麗だなとか(画質はざらついている)映像が温かみのある色合いだなっと思っていたら16ミリフィルムで撮られた映像らしい。なんか納得。映画は解像度が高くなくってもいいんだなぁと観ていて思った。
この映画はホテルで客室清掃の仕事をしながら、プロのボクサーになった聴覚障害者の一人の女性の心の動きを表したものだった。
耳は聞こえないけど、確かに不自由な時はあるけど、決してかわいそうとかそういう気持ちにはならず、同じ人間として見ることが出来るそういう作りの映画だった。
プロのボクサーになってそれで満足ということはなく、プロになってもさらに悩みがあり続けるものなんだなと苦しくもあった。でもジムの会長が主人公の試合のビデオを見ながら夜遅くまで考えてくれていたり、自分がボクシングを少し休みたいというのも悪いと思うくらい周りの人が応援してくれていたり、頑張り続けないと、と自分を鼓舞する映画でもあった。
ボクシングは戦おうという気持ちがないとやり続けられないスポーツだと三浦友和が言っていたのが心に残る。
この映画はほとんど言葉であらわさない映画でそれでも心の動きを事細かに伝えようとしているところが素晴らしい。