1985年に公開された日仏合作の歴史映画。
監督は黒澤明。
それにしてもこの映画は遠景の撮影の多い一つの絵画でも見ているかのような、どのシーンを切り取ってもどのシーンを切り取っても映像が素晴らしい映画である。
そして、仲代達也の顔が怖い、うえに迫力があって、この映画の中での戦国の世の非情な主人公を表すのにビジュアル的にぴったりな化粧、役者だなぁ。
ピーターの役と原田美枝子の役がやけに凄みをおびていい演技だった。
遠景をいっぱい撮るというのはお金のかかることで、火事のシーンや戦争のシーンはどれくらいお金がかかったんだろう?と想像がつきません。
今の映画の『バーフバリ』も戦争のシーンが多かったけど、日本の戦争のシーンはこういう時にこういう配備、とかあってそのうえこの映画はCGじゃないんだろうなというところが見応えがあって面白かった。
この黒澤明映画も途中を観たことがあって、最初から最後まで観るのは初めてだったが、かなり面白く観れた。
ビジュアル、音楽、役者、衣装、シナリオとどれをとってもいい映画でした。
この映画の最後に仏の絵が出てくるのが、神にも仏にも悪態をつくな、神も仏も人が人を殺さずにはいられないこの世を悲しんでいるんだ、という黒澤明の考えを表しているのかなと思った。
仲代達也が狂ってしまって花を摘んでいるシーンとか、自分が天国か地獄にいると思って墓荒らしをするなというシーンとか正気に戻らないところの演技が凄い。
服に興味のあるうちの母がワダ・エミの衣装が素晴らしいと言っていた。