シルヴァン・ショメ監督のイギリス、フランス製作の2010年のアニメーション映画。
シルヴァン・ショメ監督と言えば『ベルヴィル・ランデブー』の監督でどんな映画を他に作るのかと思って楽しみにしていました。
私の個人的感想ではベルヴィル・ランデブーのほうが良かったな、と思いました。ベルヴィルのほうがおかしみがそこかしこにあってブラックユーモアと映画の筋があっていてよかった。
今回のイリュージョニストにもおかしみはあったけど、どちらかというとペーソスのほうが強いようで。
全編にほとんどセリフはなく映像で表現していたのはベルヴィルにも通じるところが。
イリュージョニストはある女の子に出会って、貧乏な女の子は靴も買えず、それを見たイリュージョニストが女の子に真っ赤なかわいい靴を買ってあげてなおかつ手品でそれを見せたから女の子は魔法使いにでも出会ったかのような衝撃を受けてイリュージョニストについていきます。
このイリュージョニストが女の子に出会わなかったらどうだっただろうと考えると、やはり女の子に出会ってよかったんだと思います。
映像中で写真を見ているところがところどころ出てきて、なんの写真を見ているんだろう?と思っていたら最後のほうに自分の女の子供の写真だったということが分かって、イリュージョニストにとって女の子は子供のような存在だったんだろうなと想像します。
悲しみもまた、映画を色づける一つの要素であるのは確かです。
芸事の厳しさを教える映画だったのだなと思いました。