映画が好きすぎる眼鏡女子の独り言

淀川長治に強い憧れがある映画感想家

『海辺のポーリーヌ』星3.5点★★★☆#エリック・ロメール

1983年のフランス映画。監督はエリック・ロメールヌーヴェル・ヴァーグの監督の一人。

はっきり言ってあんまり好きじゃなかった。

ひと夏の恋って言って、ひと夏の恋がこんなにつまらないならひと夏の恋もしなくてもいいんじゃないかと思った。

夏によく思い出される恋愛映画で『時をかける少女』のアニメ版なんかはキスもしなかったけど、恋愛においてはずっと上。

今見ているドラマ『女王ヴィクトリア』の女王の夫のアルバートの恋もいちずで心揺さぶられるけど、まずこの映画の恋愛は心揺さぶられることもなく、すぐに体の関係をもってしまうところが好きじゃなかった。

ポーリーヌのいとこマリオンもスタイルはすごくいいんだけど、話を聞くと頭悪いんじゃないかと思ってしまう。一度結婚もして苦い経験もしているはずなのにそれを全否定していて、経験から学んでいないような気がする。

そのマリオンのひと夏の恋愛相手のアンリも下種野郎でポーリーヌの足にキスするあたり何考えているんだろう?って。

ひと夏の恋は苦いっていうけど苦いどころかこれは本当に恋愛?って。

一番頭がいいのがポーリーヌだったんじゃないかと思う。

避暑地でいとこ同士恋愛の話をしていて、ポーリーヌが幼いながらも目が合った男の子とまた出会えたら良かった、と話していて夏の恋愛の予感が出ているところは良かった。

エリック・ロメールの監督映画は初めてなんだけど、どういう映画を撮るのかと思ったら恋愛遊戯とか軽薄なとか書かれているのが分かる気がする。

私はひと夏の恋でももっと心魅かれる出来事のほうがずっといいな。

 

海辺のポーリーヌ

海辺のポーリーヌ

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『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』星四つ★★★★#グレタ・ガーウィグ

2019年のアメリカ合衆国のロマンス/ドラマ映画。

監督が女性監督グレタ・ガーウィグ

若草物語若草物語でも少しアレンジしているようで。最後の結末は私が知っている話とは少し違うような気がする。

次女ジョーが主人公でその主人公に女性監督が女性の生き方とはというのを言わせたり、体現したり。

19世紀のアメリカでは女性が働いて稼いでいくというのはあまり考えられず、結婚してお金持ちの人と優雅な生活をというのが望まれているようで。

最初母と二人でこの映画を観ていたのですが、母が寝だして途中でやめて後日自分一人で観たら結構面白かった。

ただ、この映画の時間が過去にいったり現在にいったりするのが分かりづらかった。突然カットが変わったかと思うと何の前触れもなく時間軸が変わっているのにはちょっとなと思った。

クリストファー・ノーランの時間軸は最初から時間軸が一つの見せどころですよ!と言っていてこの映画のとはちょっと違う。

私が『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で特に好きだったシーンはジョーが夢中でlittle womenの小説を書くところと教授と幸せな結末をむかえるところです。

なにかに夢中になっている人はそれだけで成功の架け橋にいるようで素敵です。女性の自立は必要だと思いますが、ロマンスの部分もとっても大切。この映画のジョーはどちらも手に入れてハッピーエンドだったと思います。

グレタ・ガーウィグは自身が女性であることから女性の視点を大切にしているんだな。

この四姉妹の生き方性格はみな魅力的でこう生きればいいのか!と思わせる。

今度はグレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』を観てみよう。

 

 

『フランシス・ハ』星四つ★★★★#グレタ・ガーウィグ

2012年のアメリカ合衆国のコメディ・ロマンス映画。

主演がグレタ・ガーウィグで監督が彼女の私生活でのパートナーでもあるノア・バームバックだそう。

グレタ・ガーウィグはこの後『レディ・バード』や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を監督している。まだ観たことがないけどいずれ観てみようと思っている評判作。

この『フランシス・ハ』という作品はマンブルコアと呼ばれる作品群の一つのよう。マンブルコアとは「マンブルmumble」は「低く不明瞭に発音する・もぐもぐ言う」を意味する言葉で、多くは白人中産階級の日常生活や人間関係を主題とし、極めて低予算製作される点に特徴があるのだそう。

なんだか、アメリカの一人の女性をドキュメンタリーで撮ったような感じがする。

主人公のフランシスとソフィーは大の仲良し。フランシスはソフィーとの共同生活をやめたくないため、恋人との破局を迎えてしまう。

フランシスの立ち位置が不安定で職業と呼べない、見習いダンサーをやっている。

しかし、ソフィーと将来の話をする二人はとても幸せそう。フランシスはダンサーになり、ソフィーは文筆家になる、そんな夢を語っている。

そんな二人の夢が崩れていく。

現実を見なければいけなくなった二人に終盤それでもハッピーエンドだと呼べる未来が待っている。

グレタ・ガーウィグはこの映画で脚本を担当しているそうだが、日常にいそうな主人公のでも魅力ある人を描いていて観ていて意外に面白かった。

こういうタイプの映画は観たことがなかったので新鮮!

 

 

『影武者』星4っつ★★★★#黒澤明#仲代達也#橋本忍#宮川一夫

1980年の黒澤明監督の時代劇映画。

3時間の超大作。

外国版プロデューサーにフランシス・フォード・コッポラジョージ・ルーカスが名前を連ねていたのでおや?と思ったら黒澤明を敬愛しているんだそう。

橋本忍はアドバイザーとなっていたけど実際になにをやったのだろう?脚本家としては知っていたが、監督もしている人なので色々とアドバイスをしたのかな?

宮川一夫もスタッフロールに名前があったので撮影協力したのでしょう。

具体的にどういうスタッフがどういう仕事をしたのかはなにか文献があればいいのだが。

いずれ、一流どころが安定のスタッフ。

勝新太郎が降板したことでも有名な映画。

それは置いておいて、最初のシーンが凄味があって良かった。最初に武田信玄に似た人が三人でてきてどういうことか分からなかったが一人が武田信玄もう一人がその影武者で弟、そしてもう一人がひっとらえられた盗人だった武田信玄のもう一人の影武者。

仲代達也の一人二役だが上手に演じ分けられていてうなった。武田信玄には静かな凄味があり、影武者のほうはきょろきょろしていて小者感があった。

でも私としては『乱』のほうが好きだったな、映画として。

一番好きなシーンが影武者がかめを壊して盗みをはたらこうとしたらその中に武田信玄の死体が入っていたところ。死体なんだけどそれでもそれだけで凄味がありひーこわいと思った。

そのあとかめと武田信玄の死体を海だか湖だかに捨てるシーンも家臣のそれを見送るのも厳かで良かった。

 

 

『きみに読む物語』星4っつ★★★★#ジーナ・ローランズ#ニック・カサヴェテス

2004年のアメリカのロマンスドラマ映画。

ニック・カサヴェテスという名前に聞き覚えがあると思ったら、ジョン・カサヴェテスジーナ・ローランズの息子なんだそう。この一家は家族で映画を撮っているんだなぁ。

この映画の題名『きみに読む物語』とこの前観た映画『愛を読むひと』が題名似ているなぁとこんがらがっている。

昔、映画『ケス』と映画『テス』と題名が似ているが映画の内容が全然違うのにこんがらがってしまったのと似ている。

ひと夏の恋が一生モノの恋愛に発展するというところが似た名前の映画君に読む物語と愛を読むひとに共通するところか。

ノアがまた魅力的に描かれていた。吃音を治すためにホイットマンの詩を朗読するところが素敵。顔も背格好もかっこいい。

道路の真ん中でノアとアリーが寝転ぶところが映画らしい。

最初に一目ぼれして、観覧車に無理やり乗り込みデートしてくれないと飛び降りるのようなことをいうのもなんだか映画らしくて映画マジックを見せてくれた感じ。

山形国際ドキュメンタリー映画祭で老人の施設や老人介護の映画がすごく好きだったんだが、この映画にも老人の素敵な老後が描かれている。

思い出してもらうために物語を読み続けるところが素敵。

自分の人生は後に残るものがないが、しかし一生を通して一人の人を愛したのだけは誇れることだといったのがいいなぁ。私もそういう恋愛してみたい。

老人は老後施設で物語を読むという一大行事がいくらでも時間をかけてできるところがまた素敵だった。

最後のエンディングも物語のような話でロマンスを感じる。

 

 

『ダンケルク』星4.5点★★★★☆#クリストファー・ノーラン#ケネス・ブラナー#キリアン・マーフィー

2017年戦争アクション映画クリストファー・ノーランの『ダンケルク』が観たい、ダンケルクが観たいと思っていたらようやく念願かなって。

戦争映画って苦手な分野なんだけどそれでもクリストファー・ノーランの映画は静かな感動があって良かった。

戦争映画で好きなのっていうのは『ビルマの竪琴』のような反戦映画や『戦場のメリークリスマス』や『フルメタル・ジャケット』のような狂気のような戦争映画が多いんだけど、このダンケルクはまた違った感動がある。

友達に私がクリストファー・ノーランのファンだというとダンケルクは面白くなかったよと言われたけどこの映画も良かった。

一般の兵士から陸軍海軍空軍の兵士の戦いでどれだけの仲間が救われたのか分かる。

この映画を観るまでダンケルクという地名は知らなかったんだけどフランスの北端の街、だそうだ。

映像が綺麗で戦艦や飛行機もかなりお金かけてそう。

本当の戦争ってこんな感じなのかもしれない、と思わせる。

最初は陸軍の逃げているところから始まり、最後には故郷に帰ってこれる、しかも新聞も故郷の人も自分たちの戦いに感謝して喜んでいる。そして、アメリカが戦争に参加して、勝つまで戦い続けると新聞で言っていた。

助かった人もいるけど亡くなった人も確かにいて喜びだけではないが、それでも帰ってこれたというのが静かなる感動を呼んでいる。

クリストファー・ノーランの映画にはケネス・ブラナーキリアン・マーフィーなど同じ役者が出てくるのもこの監督の特徴なんだろうな。ケネス・ブラナーって監督で知っていたんだけど、役者としてもいい役者です。

 

 

『I`m dying to love you』私が制作した自主制作映画

大学時代に映画を作ってみて賞としては自主制作のインディーズ・ムービーフェスティバル敗者復活入選をはたして、全国のケーブルテレビの番組で放送されました。

その後、秋田のケーブルテレビで一か月間土日だったかな?いっぱい放送してもらいました。

あの時は何とも思わなかったけど、今思えばぴあフィルムフェスティバルにも出品しておけばよかったな。

良かったら観てみてください。

感想いただくとかなり嬉しいです。

至極のピカレスクロマン!!テーマはブラックユーモア!!!

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